◆初めは「毒消し」 人類とお茶の出会いは紀元前3千年、神農という人物でした。神農は毒を消す薬としてお茶を食べたとされています。英語の「ティ」の語源は福建語。世界中のお茶の発祥地は中国ですがその中でも工芸花茶は中国固有の茶文化です。 ◆花茶(ファチャ)とは 花茶は薫製茶?香花茶とも言われるように、茶葉に香りをつけたもの、花そのものをお茶にしたもの、茶葉と花をブレンドしたもの、緑茶を花の形に細工したものに分類されます。 ◆緑茶の7割が花茶 中国ではお茶の生産量の7〜8割を緑茶が占め緑茶の生産量の7割が香り付けされた花茶にされるほど花茶は人気のあるお茶です。花茶の多くは緑茶に茉莉茶(ジャスミン)の香りつけをした茉莉花茶に代表されます。 花茶とは ●花茶は2種類に大別され、香りを吸収しやすいお茶の特性を利用し、茶葉に花の香りを吸着させた茉莉花茶のようなものと、茶葉に花の香りをつけるだけでなく、花そのものが入っていて、エキスも一緒に抽出して飲む菊花や瑰花のようなものがあります。 ●花茶の歴史は、1000年もさかのぼり、南宋の時代から始まったといわれています。最初に花茶の生産が盛んになったのは福建省で、後には江蘇省、浙江省でも作られるようになっています。 ●現在の花茶の基礎となった製造方法は明代の書物に記される「茶葉3に対して花を1の割合で使うのが、もっともバランスがよい割合」という方法です。 ●その後、清代には上級階級の人々の間で流行し、現代に至っています。現在の主産地は、福建省、江蘇省、浙江省に加えて安徽省が挙げられ、さらに近年ではその他の地域でも作られるようになり、生産も増加しています。 ●最近では高級な緑茶や紅茶を使って作る花茶や、花だけでなく茘枝(ライチー)など、果物の果汁で香りを付けたお茶も愛されています。
ジャスミンを香り付けした白茶をベースにしたもので、中心に百合の花が包まれています。 百合の花には利尿作用や女性の生理痛に対する効能があるといわれています。 この工芸茶は花の高貴な香りだけでなく、お茶を注いで少し待つと、ゆっくりと丸い茶葉が開き、鮮やかなオレンジの百合とめしべの白が姿を現します。 その姿は、まるで花が開花するようです。 百合の周りをキンモクセイがひらひらと舞います。 百合の花は生け花ように驚くほど新鮮です。 キンモクセイのほのかに甘い香りと、百合の甘酸っぱい香りが溶け合って豊かな味わいを生むこの工芸茶。 パーティーの時やちょっとしたお土産などにも喜ばれること受合いです。 工芸茶をお楽しみいただくために水中花のように、美しい姿の工芸茶を楽しむには、やはりガラスの茶器が欠かせません 耐熱性のグラスやガラスポットならその開いてゆく姿をゆっくり、じっくりとお楽しみいただけます。ゆったりと茶葉が開くように、タイプに合わせた茶器をセレクトしましょう。 (背の高いグラス、底が広めの茶器、など)また、飲み終えた工芸茶に水を注いで飾れば、長い間眺めて楽しむことができます。 まさに水中花ですね。 |