音楽でやせる

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音楽でやせられるか？

音波でやせる
　音といえば「空気の振動」のことを意味しますが、そういえば、最近は超音波を皮下脂肪にあててやせる方法が発明され話題になっているようです。ちなみに、この超音波の原理は、皮下に一定の周波数をあてると、その刺激で皮下組織の交感神経末端から「ノルアドレナリン」が分泌され、それが脂肪の代謝を高めるという原理だそうです。

　ここで重要なことは、「振動を与えるとその刺激でノルアドレナリンが分泌される」原理であり、「振動を与える手段は別に超音波に限ったことではない」ことです。

　もちろん、超音波ダイエット装置を開発した人物は、自らが作り出した超音波の周波数がもっとも効果的にノルアドレナリンを分泌させられる、と豪語していますが、その信憑性は「絶対確実」なわけではありません。世知のない話をすると、要するに交感神経を興奮させてあげればなんだっていいわけです。たとえばお腹をマッサージするのも振動を与えるという意味では効果的ですし、ダンスして飛び跳ねても効果があります。音楽でやせたいというなら、クラブやディスコにある大音量の大型スピーカーの前に立っていれば、振動が全身に伝わり、もっと刺激的で効果的かもしれません。

　私がここでいいたかったのは、振動を与えれば、ノルアドレナリンの分泌がある程度促進されて、その部分の脂肪の代謝が活発になるということです。これが部分やせのヒントとなります。

　ステレオのボリュームを全開にして、スピーカーの前に足を置いておけば、やせられるかもしれません（ただし、近所迷惑になることと、聴覚障害が出てしまうことは避けがたいですが）。

音楽で集中力をつける
　さて、私がいいたかったことはそんな振動の「音波」のことではなく、耳で聴いて、鼓膜を震わせ、脳で感じる「音楽」のことです。

　ダイエットの進行を妨げるもっとも身近な強敵は「ストレス」です。ストレスはやる気と集中力を奪い、そして食欲でそれを代償させようという方向に意識を向かわせます。ダイエットにとってこれ以上の強敵はないといっていいでしょう。

　ストレスによる悪影響は、ダイエットばかりではなく、仕事や勉強、スポーツといった分野にも及んでいきます。ストレスがやる気を奪い、そして人間を無能な動物へと変えてしまいます。つまり、ダイエットという偉業を成し遂げようとするからには、ストレスに打ち勝つ工夫を日ごろからしておかなければならないのです。

　みなさんは、学生の時期、勉強の集中力を高めるためにどんな工夫をしたか思い出してみてください。クラシック音楽をかけたり、ポップスを聴きながら勉強しませんでしたか？

　これには２つの意見があります。ひとつは音楽をかけると気が散って集中できないという意見、そしてもうひとつは音楽をかけていないとイライラ気分で押しつぶされて集中できないというものです。これらの意見のどちらにも理があります。

百害あって一利ありのタバコ
　たとえば、企画書の作成などのように「頭を使う作業」をしているときにタバコを吸う人をよく見かけますが、実はこれは音楽を聴きながら勉強をするのと同様、イライラを排除し、集中力をつけるためなのです。

　というのも、タバコに含まれるニコチンには脳のドーパミンを高める作用があり、このおかげでイライラが鎮まり集中力が出るのです。イライラが増えるとタバコを吸う本数が増えるのは、実は、イライラを抑えてドーパミンを無理やり分泌させようとするためだったわけです。

　先ほど述べた子どもが音楽を聴きながら勉強するという行為は、嫌いな勉強でイライラする気持ちを鎮めるためのもので、逆に集中力を高めるためにやっているといえるわけです。

　実際に気持ちのいい音楽を聴くとドーパミンの分泌が増え、集中力が高まり、やる気が持続します。だからこそ、「勉強するときに音楽をかけると気が散る」とは一概に言えないわけです。ただし、音楽にあまり興味のない人や好きでもない音楽が流れるとそれは逆に集中力を低下させる原因になりますので、「勉強中は音楽はダメ！」だという人もいるわけです。

リズムを刻みたくなるような音楽を聴きましょう
　本題のダイエットに参りましょう。音楽には、人間のやる気や集中力を高める作用が確かにあります。それはタバコの原理と同じく、ドーパミンの分泌を促す作用があるからです。すると、特にお腹がすいて何かをつまみたいなと思ったときに、自分のお気に入りの音楽を聴けば、ドーパミンが分泌され、空腹によるストレスを紛らわすことができることになります。

　もともと、ストレスがたまると何かをつまみ食いしたくなるのは、ストレスによるドーパミンの低下を食欲を満たすことで代償しようとする行為。ですから、小躍りしたくなるような音楽をかけると集中力が出てつまみ食いが防げる、というのは非常に理にかなっています。つまみ食い癖のある方にはオススメです。

　さらに、その音楽を聴きながら、部屋でステップでも踏めば、実際にカロリー消費にもつながり、これほど効果的なことはありません。

たかが音楽、されど音楽
　音楽は大昔から現在に至るまで人々に愛され続けてきました。それは人々の気分をよくさせる確かな効果があるからです。音楽をバカにしてはいけません。ストレスがたまったとき、ダイエットに疲れたとき、もういいや！　と投げやりになったとき、お気に入りの音楽をヘッドホンで大音量で聴きながらカラダを動かすなんてことをしてみてはいかがでしょうか？

　曲のジャンルは問いません。あなたが気持ちよくなれる曲はあなたにしかわからないのですから。ジャズでもハードロックでもなんでもいいのです。とにかく気持ちいい音楽を聴きながら、ダイエット意欲が低下しないようがんばってみてください。

　何度も言うように、重要なことはあなたのモチベーションです。