サウス・ビーチ・ダイエット

---

サウス・ビーチ・ダイエット
 
サウス・ビーチ・ダイエットは、フロリダ州マイアミの心臓病医アーサー・アガストンが考案。アガストン博士は自分の心臓病患者のために、食餌療法の科学研究に基づいて、このダイエットを開発しました。減量にも効果があるらしく、成功した有名人にクリントン元大統領夫妻が含まれます。
 
このダイエットは、アトキンス・ダイエットと同様に、炭水化物が体重の増加を引き起こすという考えを前提にしています。しかし、炭水化物を完全には除外せず、「良い炭水化物」と「良い脂質」を重視する点が特徴。
 
「悪い炭水化物」と「悪い脂質」の摂取量を抑える
博士の考えでは、「悪い炭水化物」を過剰に摂取すると、インスリン・レジスタンス症候群を引き起こし、脂肪や糖分を適切に処理するホルモンの働きが損なわれるそうです。また、ほとんどの医者が信じているように、「悪い脂質」を過剰に摂取すると、心臓病に罹るリスクが高まるといいます。このような状態を防ぐため、悪い炭水化物と悪い脂質の摂取を最小限にし、良い炭水化物と良い脂質の摂取を増加させるよう薦めています。
 
3つの段階
サウス・ビーチ・ダイエットは、以下の3つの段階を経ます。全段階を通じて、悪い脂質の摂取量を最小限に抑えます。
 
段階1： ほとんど全ての炭水化物を避ける
2週間続く最も厳格な食事制限。グリセミック指数が高めの炭水化物（砂糖、キャンディー、パン、ポテト、果物、シリアル、穀類等）を避けることで、インスリン・レジスタンスを取り除く。博士によれば、インスリン・レジスタンスが無くなると過剰な体脂肪が燃焼し始め、8から13ポンド（3.6から6kg）の減量がもたらされるという。
段階2： 良い炭水化物を徐々に摂り入れる
グリセミック指数が低い炭水化物（果物、全粒穀物等）をだんだんと摂り入れる。
段階3： 体重維持
希望の体重に達したら体重維持の段階に入る。この状態を生涯に渡って保つことが求められる。段階2と同様、グリセミック指数が低い炭水化物を中心に食べる。
サウス・ビーチ・ダイエットはカロリー計算が不要で、おなか一杯になるまで食べることが許されています。ダイエット中は、少なくても1日当たり8杯の水を飲み、カルシウムのサプリメントを毎日摂ることが薦められます。
 
良い炭水化物と良い脂質
良い炭水化物
食物繊維と良い脂質が豊富で、グリセミック指数が低い、すなわち消化吸収がゆっくりと行われる。同じ炭水化物でも、栄養価をより多く含むほうが好ましい。例えば、玄米はある程度食べても良いが、白米は薦められない。
良い脂質
不飽和脂肪酸、特にオメガ-3脂肪酸を含むもの。一方、飽和?トランス脂肪酸は悪い脂質。
 
素早い減量を実現
 
アガストン博士の著書、"South Beach Diet"は2003年に出版されたばかりで、このダイエットの長期的な影響を調査できる十分な時間が経っていません。その代わり、短期的な研究として次のものが挙げられます。
 
過体重のボランティア40人を2つのグループに分け、一つはサウス・ビーチ・ダイエットを、もう一つはアメリカ心臓協会の「ステップ 」のダイエットを続けてもらいました。12週間後、アメリカ心臓協会ダイエットの参加者は、平均7.5ポンドを減量。一方、サウス・ビーチ・ダイエットの参加者は、平均13.6ポンドの減量を果しました。また、アメリカ心臓協会ダイエットの参加者20人の内、5人が途中で辞退し、サウス・ビーチ・ダイエットの参加者は1人しか辞めませんでした。
 
減量と心臓の健康維持に
 
サウス・ビーチ・ダイエットは、ダイエットの初期段階で素早い減量をもたらし、理想体重に到達するまで安定した減量が続きます。ダイエットの途中で脱落する人の割合が比較的低く、現実的な食習慣を身に付けられるでしょう。また、悪玉コレステロールを減らして、心臓を健康に保ちます。
 
炭水化物に対する否定的な意見には同意しかねる部分もありますが、全体的には優れたダイエット方法といえます。ただし、腎臓に問題のある人は、このダイエットを始める前に医師との相談が必要。