ダイエット栄養
栄養素の種類
からだの機能を維持して、より良く働かせるためには、バランスのよい栄養摂取が欠かせません。
人が生命を維持するために必要な栄養素は、三大栄養素と呼ばれるたんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)です。
それにビタミン、ミネラルで5種類になり、これが「五大栄養素」です。
最近では、これに食物繊維と、ファイトケミカル(機能性栄養素)をプラスして「七大栄養素」と呼ぶようになっています。
三大栄養素によるエネルギーのバランスを、それぞれの頭文字をとって「PFCバランス」と呼びます。
たんぱく質15%、脂質25%、糖質60%くらいのエネルギーバランスでとるのが、健康な生活をおくるために理想的だといわれています。
最近では、食生活の欧米化が進んで、少しずつ脂質の割合が高くなっていて、健康への悪影響が心配されています。 特に脂質は1gあたりのエネルギーが最も高いのでエネルギーの過剰摂取につながりやすいものです。
日常的な食事は、理想的なPFCバランスに近づけるようにしましょう。
ダイエット中は、特に脂質をとり過ぎないように気をつけて、必要な栄養素を効率よく摂取するように心がけましょう。
七大栄養素とは?
1) たんぱく質 <P> ----------(PFCバランス 15%)
2) 脂質 <F> ---------------(PFCバランス 25%)
3) 炭水化物(糖質) <C> -----(PFCバランス 60%)
4) ビタミン
5) ミネラル
6) 食物繊維
7) ファイトケミカル (機能性栄養素?植物栄養素)
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉、臓器、骨、皮膚、血液、ホルモン、酵素、免疫物質などをつくる役割を果たしています。
たんぱく質は、約20種類のアミノ酸が結合してできている物質で、このうち9種類は体内で合成することができないので、食物から摂取しなければなりません。 この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼びます。
アミノ酸は、体内で常に分解、排泄が繰り返されているので、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる良質のたんぱく質を十分に補給することが大切です。
特に肉や魚介類、卵、乳製品などの動物性タンパク質は、必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質ですので、穀類や豆類などの植物性タンパク質と合わせて摂取するとアミノ酸のバランスが良くなります。
たんぱく質は病気に対する抵抗力をつける上でもとても重要ですのでバランス良く摂取しましょう。ただし、たんぱく質を多く含む食品はカロリーが高いものもありますので気をつけましょう。
脂質
脂質は、エネルギー源となるほか、ホルモンや細胞膜や消化に必要な胆汁酸の原料となったり、細胞の機能を十分に発揮させるのに欠かせない栄養素です。
また、脂質は、たんぱく質や炭水化物(糖質)に比べると、1gで9kcalと、約2倍のエネルギーがあります。 脂質は体内で1gあたり9kcalと三大栄養素のうち、最も高いエネルギーになります。
脂質には体の中でつくることのできない必須脂肪酸が含まれていて、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになっています。
不足すると、発育の障害や、皮ふ炎の原因になったりします。
さらに、脂質は油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収に役立っています。
脂質の摂取量が多いことが、肥満のひとつの原因になっています。
成人では1日に必要なエネルギーの20〜25%を脂質からとるのがよいといわれています。
これは1日2,000 kcal必要な人では、脂質およそ50gとなります。
炭水化物(糖質)
炭水化物(糖質)とは砂糖をはじめとした“甘いもの”だけでなく、ごはん、いもに含まれるデンプンも糖質の仲間です。
糖質は体の主要なエネルギー源です。消化?吸収されて血液といっしょに全身をめぐります。
特に脳では血液中の糖質(ブドウ糖)だけがエネルギー源なので、朝食を抜くと、糖質が不足して頭がボーっとするなどの症状が起きることが
あります。経験があるのでは?
また糖質は、同じエネルギー源でも脂質やたんぱく質と比べると、すばやく使えるという特長があります。
ですから、ウォーキングなど長時間の軽い運動には主に「脂質」が使われますが、短距離走のように短時間の激しい運動には、「糖質」からのエネルギーが使われます。
糖質の体内での存在量は意外に少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけです。
余分に食べた糖質は、体の中で脂肪となって蓄積されるからです。
余分な炭水化物(糖質)は、中性脂肪となって体内に蓄積されてしまいますので、摂りすぎには注意が必要です。
1日2,000kcal必要な人では、約60%の1,200kcalをこれらの糖質からとるのが望ましいといわれます。これはご飯にすると、茶わんにおよそ5杯分です。
ビタミン
ビタミンは、エネルギー源や体をつくる成分ではありませんが、人が健全に成長し、健康を維持する働きをしています。
つまり、ビタミンは、他の栄養素がうまく働くために、機械の潤滑油のように働いています。
ビタミンの必要な量はとても少ないのですが、体の中でほとんどつくることができないので、食べ物からとることが必要です。
ビタミンには、水に溶ける水溶性ビタミンと、油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、水溶性ビタミンは多量にとっても尿になって体の外へ排泄されますが、脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されるため、とり過ぎによる弊害がでる場合もあります。
そこで、厚生労働省では、とり過ぎによる健康障害を防ぐ上限値(許容上限摂取量)を設定しています。
健康食品やサプリメントについては、十分に注意して上手に利用しましょう。
ビタミンはミネラルと同様に、生命活動のさまざまな化学反応を助けるという重要な役割をになっています。 また抗酸化作用など、栄養素以外の作用があることもわかってきました。
○水溶性ビタミン(9種類)
ビタミンB1・B2・B6・B12・C、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン
○脂溶性ビタミン(4種類) ビタミンA・D・E・K
ミネラル
ミネラル(無機質)とは、ビタミンと同様に体の機能の維持?調節に欠くことのできない栄養素です。
とても少ない量で重要な働きをするところはビタミンと同じですが、ビタミンと異なることは、ミネラルは体の構成成分にもなっているという点です。
また、ビタミンと同様にミネラルにもとり過ぎによる弊害がでる場合がみられます。
このため、厚生労働省では、とり過ぎによる健康障害を防ぐ上限値(許容上限摂取量)を設定しています。
ビタミン同様、健康食品やサプリメントについては、十分に注意して上手に利用しましょう。 現在、日本で摂取基準が定められているミネラルは、カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンなどです。
食物繊維
第6の栄養素として注目されるようになった食物繊維は、以前は、消化も吸収もされないので、役に立たないと思われていました。
しかし、実際には、腸の働きを整え、腸内のコレステロールなどを体外にすみやかに排出したり、糖分の消化吸収を抑制して血糖値の上昇を抑えるといった働きをしています。
また胃の中で膨らむので、食べすぎを防いで、肥満などの予防に大きな働きをしている重要な栄養素なのです。
食物繊維は、人の消化酵素では消化することのできない食べ物の中の成分で水に溶ける水溶性食物繊維と、水には溶けない不溶性食物繊維があります。
食物繊維は、便の量を増やして便秘を防いだり、最近では、動脈硬化症、糖尿病、大腸がんなど、生活習慣病の予防に役立つことがわかってきています。
成人で1日20〜25gが目標です。
毎日の規則正しいお通じがあることで、足りているかどうかの目安にします。
普通の食生活では、食物繊維のとり過ぎによる健康障害は少なく、逆に努力しないと不足がちになるので、しっかりとるようにこころがけましょう。
ファイトケミカル(機能性・植物栄養素)
植物が紫外線の害や虫などから自らを守るために作り出した物質で、人間もそれを摂取することで、体に重要な働きをする、ビタミン、ミネラルとは
異なる物質です。
果物や野菜に含まれる、栄養素以外の成分(非栄養素=機能性成分)で、主に植物に含まれることから、ギリシャ語で植物を意味するファイト(phyto)を用いてファイトケミカル(フィトケミカル)と呼ばれています。
従来、人間の体に必要な栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの五つと考えられてきました。 最近はそれに食物繊維を加えて、これを第6の栄養素としていましたが、1980年代になって、このファイトケミカルが発見されてから、これが「第7の栄養素」と呼ばれて重要視されるようになりました。
おもな働きは、癌や動脈硬化、老化などを促す活性酸素を消去する抗酸化作用があることです。 従来の栄養素と異なり、不足してもすぐに欠乏症を引き起こすことはないので、健康を保つための栄養素という位置づけです。必要量は1日に、いろいろな野菜を350g以上、いろいろな果物を200gぐらい食べることが目標とされています。
ファイトケミカルの種類は数千種類〜1万種類に上り、これらはカロテノイド群、ポリフェノール?フラボノイド群、硫黄化合物群に分けられます。
ファイトケミカルが優れた点は、加熱調理でも破壊されることなく、また生でも問題なく摂取可能なこと。
煮ても焼いても、茹でても揚げても問題なく摂取できるので、野菜も果物もさまざまなバリエーションで食べられるのです!
毎日を健康に過ごすためにもファイトケミカルを摂りましょう!