骨盤直しダイエット

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だぶついたおなか、たれ下がったお尻、太もものたるみ……。
 
　こうした下半身の肥満に悩んでいる人は、非常に多いと思います。でも、せっかくダイエットをしても、バストばかりやせて、肝心の下半身はまったくスリムにならない。皆さんは、そんな苦い経験をしたことがありませんか？
 
　なぜ、下半身ばかり太ってしまい、なかなかやせないのでしょうか。その謎を解くカギは、何を隠そう、「骨盤のゆがみ」にあります。
 
　骨盤のゆがみと肥満というと、ピンとこないかたもいるかもしれません。そんな人こそ、これからの話をよく頭に入れてください。
 
　では、骨盤とは、いったいどんなものなのでしょうか。骨盤は1つの骨のように見えるかもしれませんが、左図のように、大きく分けて、仙骨・腸骨・恥骨の3つの骨と関節から成り立っています。
 
　この骨盤は体の中心に位置し、体重を支えたり、バランスをとったり、いわば体の要といっても過言ではありません。それだけに、骨盤のゆがみは、さまざまな弊害をもたらします。もちろん、下半身太りもそのひとつです。
 
　骨盤は、腹筋と背筋によって支えられています。ところが、腹筋や背筋の力が低下すると、骨盤をうまく支えられなくなり、ゆがんだ状態になってしまうのです。
 
　体の土台である骨盤がゆがめば、背骨など体全身のゆがみにつながります。では、全身がゆがむと、どうなるでしょうか。当然、筋肉のバランスも悪くなります。そうなると、筋肉が疲れやすくなり、消費されるエネルギーも低下。おのずと脂肪がたまりやすい体になり、肥満への道を歩んでしまうのです。
 
　とくに、骨盤周辺であるウエスト部分、太ももに脂肪がつきやすくなります。そのため、いわゆる下半身太りになってしまうのです。 
 
 　骨盤のゆがみは、肥満だけの問題にとどまりません。全身の関節のゆがみ、筋肉の低下などにより、腰痛や膝痛、背中の痛み、肩こり、慢性疲労といった不定愁訴の原因にもなりかねないのです。
 
　また、骨盤の中には、血管や神経、リンパはもちろん、膀胱や腸、子宮や卵巣などの臓器や生殖器がおさまっています。骨盤がゆがめば、こうした臓器なども、少なからずダメージを受けます。その結果、冷え症、むくみ、生理痛・生理不順、便秘など、さまざまなトラブルの原因になることがあるのです。
 
　これでおわかりでしょうか。下半身太り、不快症状を解消するには、骨盤のゆがみを矯正するのが最も早く、効果的なのです。
 
　そこで、今回ご紹介したいのが、「骨盤直しダイエット」。これは肩甲骨と骨盤を同時に動かすという、だれにでもできる動作です。簡単に説明しましょう。
 
1.両足を肩幅よりやや大きく広げて、膝を曲げる
 
2.左の肩甲骨を後ろに引くと同時に、右の骨盤を前に出す
 
3.右の肩甲骨を後ろに引くと同時に、左の骨盤を前に出す
 
※1.3.は背骨を動かさないようにします。
 
　このように、肩甲骨と骨盤を左右交互に動かすことによって、骨盤のゆがみはしだいに矯正されていきます。骨盤が正常な状態になれば、全身の筋肉のバランスもよくなり、エネルギーの消費量も向上。その結果、下半身などについたムダな脂肪が落ちていくのです。
 
　実際に、骨盤直しダイエットをやっていただくとわかると思いますが、簡単な動作にもかかわらず、ウエスト部分がかなりしぼられるような感覚を覚えると思います。裏を返せば、それだけこの動作が、ウエストをはじめとした下半身の引き締め効果が高いということです。
 
　このダイエットの長所は、たるんだ下半身が引き締まるだけではありません。胸部のエクササイズにもなるので、バストに張りが出てくるのです。ダイエットをすると胸ばかりやせて困るという声をよく聞きますが、これに関しては、そのような心配はまったくありません。それどころか、バストアップにもつながるのです。
 
　また、骨盤のゆがみが原因で起こる腰痛や膝痛、肩こりなどの不定愁訴も改善します。血流や臓器の働きも活性化するので、むくみや冷え症、便秘、生理痛なども解消するはずです。